【ウィザーのものがたり】まほうつかいのウィザー たびにでる
みらいたうんに ひっこしてきたばかりの、まほうつかいのウィザー。
オハナヒメのおかげで みらいたうんのみんなとも すっかりなかよしです。
ウィザーには、ひっこしてきた りゆうがありました。そのりゆうとは……?
みらいたうんからとおくはなれた ふかい森のなかに ひとりですんでいたウィザー。
たくさんの木や どうぶつたちにかこまれて それはそれはしあわせなまいにちでした。
ところが、あるひ、とつぜん「ゴゴゴゴゴゴゴゴ!」というじひびきのような おおきなおとが……!
ウィザーはびっくりしてとびおきました。
「ついにきたか……!」
ウィザーは すべてをさとり
「だいすきな森がこわされてしまう! もうここにはすめない」
と、にもつをまとめました。
どうぶつや 木や お花たちは つれていけません。これはとてもとても つらいことでした。
ウィザーは わかれのかなしみをむねに たびに出ました。
「もう こんなことがおこらない、へいわで うつくしいばしょを さがそう」
なんにちもなんにちも さがしまわってみつけたのが このみらいたうん。
たくさんのどうぶつや 木や お花、そしてじゅうにんたちが しぜんとともに イキイキとくらしていました。
ウィザーの目には すべてが きらきらと かがやいてみえました。
「ぼくがすみたかったのは こういうところだ!」
こうしてウィザーは、みらいたうんでくらすことになりました。
もちろん、ウィザーは、いまでもたびがだいすきです。
ときどきふらりとみらいたうんを出ては、はじめて見るしょくぶつのかんさつをしたり げんきのない木や お花を まほうでなおしたりもしています。
でも、しばらくひとりで たびをしていると ウィザーはさみしくなってみらいたうんに かえりたくなるそう。
すこしまえまでは いつもひとりでいて、 それがあたりまえだったのに いまはみんなに あいたくなっちゃうんだって。
やさしいなかまがいて ゆたかなしぜんのある みらいたうんは ウィザーにとって あんしんして かえれるばしょなんだね。